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ふゆゆん亭

ふゆゆん亭

私が読んだ本・1

 *◆* 2005年・読んだ本 *◆*

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 ● 1/13 「木製の王子」 麻耶雄嵩    <推理小説>

 木製の王子
京都在住の作家・京都の名探偵木更津悠也とその友人香月のシリーズ物。
世界的な画家 白樫宗尚の変わった家(四角い枡を三個ずらした形)で起きた殺人事件。
「京の趣」編集者、安城則定・倉田を巻き込んで奇妙な家族図が現れてくる。

う~ん。京極堂の薄味作り。レベルは上。でも、何が木製の王子なのか分からない。

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 ● 1/18「劫尽童女」  恩田陸   <超能力物?>

米組織「ZOO」から逃げていた伊勢崎博士が10歳の息子と共に日本の別荘地に8年振りに現れた。
特殊能力の犬・アレキサンダーを引き連れてハンドラー達が24時間監視を始めた。
そして遥とアレキサンダーの逃避行が始まった。
シリーズ物に出来そうなのにバタバタと終わってしまった。
前半はスピード感があってわくわくした。

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 ● 1/22「横浜異人街事件簿」  白石一郎  <時代捕り物>

江戸後期、外国船が行き交う横浜港で起きる異人を巻き込んでの事件、あれこれ。
衣笠卯之助(江戸を飛び出し、横浜「ももんじ屋」の仲仕の差配をしている元与力)が中心人物。
神奈川奉行所の与力・塩田正五郎。小鳥屋のおゆみ。
開港間もない横浜港では、攘夷を振りかざして浪人たちの異人切りが続いていた。

文章力が上手いので、さらりさらりと楽しく楽に読めた。


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 ● 2/5 「イーグル・シューター」  水木楊   <サスペンス?>

 イーグルシューター  
サイバー空間にだけ存在する過激グループ「GEE(グループ・地球のこだま)」を罠に引き入れ、
スケープゴードにするため影木は剣持剛(警視庁生活安全課)によってNSA(米国国家安全保障局)のポール・米村、ウイリー・チャン、佐知子・キャサリン・レイマンの元に強制的に連れて行かれた。
株やドルを使って米を混乱させようとするGEEのリーダー・アルバ(三条玲子)は高校時代の同級生
だった田原信枝のつてで西城啓介に近づき、西城がEメールマガジンに掲載した「イーグル・シューター」を現実に行おうとした。NSAとGEEの攻防戦が始まった。

ストーリーとしては面白いのかもしれないが、複雑な展開のためにたくさんの登場人物の目で書か
れているため感情移入が仕難く、最後まで淡々と読んでしまった。特にどうと言う事も無い。
それで途中で休んでICOに取り掛かかり、ラストを読んだ。

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 ● 2/3 「ICO・霧の城」 宮部みゆき  <ファンタジー冒険物>

ICO(イコ) 霧の城 ( 著者: 宮部みゆき | 出版社: 講談社 )
テレビゲームのRPG「ICO」を小説化したもの。
霧の城へのニエ(生贄)として生まれついたイコは9歳になって角が成長し、神官によって霧の城に連れて行かれた。
所が石棺はイコを吐き出し、イコは城を脱出するために彷徨い始める。
そして籠に囚われたヨルダを助けようとして、黒い霧の襲来から逃れるために闘い、やがて女王に出会う。
そして城の成り立ちとヨルダの生い立ちの幻を見、立ち向かう。

何かね~、RPG好きが高じて自己満足の作品と成りにけるかも・・・。
期待が大きかったのでガッカリした。
折角久々の宮部さんなので楽しみにしていたのに。ストーリーを埋め、間を埋め、の埋め合わせ小説みたいでした。
だって宮部さんならもっと面白い物を期待するもの~。
でも、ゲームをする分には想像が膨らんでやりやすかった。

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 ● 2/4 「残響」 柴田よしき    <超能力・推理物?>
   
過去の声を拾って再現してしまう特殊な才能を発現させてしまった杏子が、無理やり警察の手伝いをさせられた事から始まった迷宮入り事件が発端。
元夫の石神力也から受けた虐待の生活が染み込んだ惨めな生活からの脱却の日々が始まり、少しずつ立ち上がり、前を向き始めた杏子の前に現れる様々な事件。

人間の弱さを考えさせられる今日この頃なので、杏子の抱える問題には人事ではない切実な思いが湧いた。私も立ち上がって歩み始めたいものだ。

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 ● 2/9(水)「捩れ屋敷の利鈍」Vシリーズ 森博嗣   <推理小説>

探偵・保呂草潤平が美術品鑑定士・秋野秀和と名乗って熊野御堂家の別荘にエンジェル・マヌ-バ(工芸品の短剣)を見に行き、殺人事件に」巻き込まれる。
コンクリート製の巨大なメビウスの帯の中で倉知が、ログハウスの中では熊野御堂譲が殺されていた。
そしてエンジェル・マヌーバも消えていた。
大学院生・西之園萌絵が犯人探しに乗り出し、大学教授・国枝桃子と保呂草も協力をする。

初森博嗣である。173ページの短めの小説で、すらすらと読めた。
設定は非常に印象的だが、お手軽作品と言う感じ。   



 ● 2/12(土) 「蛍」 麻耶雄嵩      <推理小説>

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十年前にファイアフライ館(京都府中部の山奥)の建て主・加賀螢司がヴァレンタイン八重奏団の6人を殺し、直後に衰弱死した。
7年後ファイアフライ館を買い取って改装し、アキリーズ・クラブの夏の合宿を開催した佐世保左内が書斎で殺された。
電話は切り取られ、橋も大雨で水没して外界と連絡が取れない中、メンバー達
が犯人探しを始める。
地下の秘密の部屋や洞窟が見つかり、佐世保が連続殺人犯「ジョージ」である事が発覚した。
そして一年前に「ジョージ」に殺された対馬つぐみと付き合っていた諫早郁夫も風呂場で殺された。

騙されたー!初めからきちんと読めば良かった!と思い、あちこちを読み返したりした。
そういう点でかなり面白かった。
つぐみを愛していた諫早に感情移入していたのに、実は長崎だった!
長崎の心情が書いてあって、小説のテクニックでしょうね、誰の視点かごまかされた~。

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 ● 2/17(木) 「涙堂」 宇江佐真理     <江戸時代の捕り物>
 
元同心の妻・琴が日本橋通油町で浮世絵師になった次男の賀太郎と暮らし始めた。
近所には幼馴染の伝兵衛(絵草紙問屋)や医者の江場背順がいて、何かと賑やかである。
長男・健之丞は同心。3人の娘達も同心や与力に嫁いでいた。
琴は夫が酔って通り掛かりの無頼の輩に切り殺された事に疑問を持っていた。息子達も密かに調べを進めていた。
様々な出来事が起き、少しずつ夫の死因も見え始めた。

ゆったりと時間が流れていて良かった。

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 ● 2/23(水)「星の海を君と泳ごう 時の鐘を君と鳴らそう」
   柴田よしき <SF>
   
<星の海を君と泳ごう>
銀河総合大学のテラ・ブロックAで銀河教養学士取得のためにルナからやって来たララ・ウィルコックスが、親友タニヤの兄キリバンが勤める中央銀河市のパン・ギャラクシー・テレビジョンのアルバイトをする事になった。
そこでパン・ギャラクシー・TVのジム・バーナード、マース市出身の植物混合型火星人イトー・サカノウエ、リグナ・ワイルドワース、タイタン人のワムワム、ケンタウリ系外のタイヨー、ケンタウリ系人のキューとリュー、地球から来たホモ・サピエンスで天才少年のウンヨン・キムと知り合った。
銀河総合大学で相次いで起こっている大学生の行方不明事件を密かに調べるための学生への


軽い文章で、ララの頭の遅さがすごく気になって少し馬鹿にしていたが、ラストの方になると読み終わるのが残念に感じた。

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 ● 3/6(日)「月が昇るとき」グラディス・ミッチェル(イギリス・女性)    <推理小説>
   
おそらく1930年代もしくは1920年代のイギリス・ロンドンの西に位置する運河の町で起きた、連続切り裂き魔による三件の殺人事件。
サーカスの女曲芸師コーラリー・ベリンジャー。
<群れ鳩亭の女給ルビー・マクリー。
ホプキンス邸の子守り女ベッシー・ジレット。
この三人が殺された。
小さな町は騒然となり、スコットランド・ヤードからも警部がやって来た。
13歳のサイモン・イネスから見た事件が語られていく。 

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 ● 3/10(木) 「おわりの雪」 ユベール・マンガレリ

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病気で寝たきりの父。
老人ホームで散歩の相手をしてバイトをしている少年。
ディ・ガッソが道端で売っているトビが欲しい少年。
現実の中で厳しくも静かに時が過ぎて行く。

優しい時間が?いえ厳しく哀しい時間が過ぎて行くのだよ。
辛かった。
「BSブックレビュー」の人たちはじっくり読んで、持っていたい素晴らしい本と言っていたけれど。
美しくも哀しい話でした。
 
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 ● 3/ 13(日) 「貴船菊の白」 柴田よしき <推理系短編集>

   ◆貴船菊の白 ◆銀の孔雀 ◆七月の喧噪 ◆送り火が消えるまで
   ◆一夜飾りの町 ◆躑躅幻想 ◆幸せの方角
      
どれもぴりりと胡椒が効いていて、楽しく充実して読めた。

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 ● 4/24(日) 「七王国の玉座」上・下 ジョージ・R・R・マーティン
   
北の王国を治めるエダード・スターク。その妻ケイトリン。
長男ロブ(14歳)エダードの私生児ジョン・スノウ(14歳)。
長女サンサ(11歳)。次女アリア(9歳)。
次男ブランドン(ブラン・7歳)王妃の弟で小人のティリオン・ラニスター。ロバート・バラシオン簒奪者王からその地位を奪われた狂王エリス・ターガリエンの孫娘のプリンス・デーナリス(13歳)。
これら9人の人物の視点で描かれた七王国の壮大な物語。

人物を追うだけでも大変だったが、下になって物語が見えてくると、とても面白くて楽しめた。
4巻ほど出るらしくて、まだまだ序章といった感じだ。
人物が良く描かれている。その生き様も、その思いもみっちり書き込まれている。
素晴らしい!これはファンタジーという括りをしてはいけない気がする。

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● 4/25(月) 「象牙色の眠り」 柴田よしき

  【楽天ブックス】象牙色の眠り 
お人好しの夫が保証人になったせいで三千万円の借金を背負い込んだため、パートで原家の家政婦を始めた瑞恵(34歳)。
原家には財閥だった故原元永の長女・かおり(25歳)、長男・裕次(19歳)、家主で未亡人・後妻の愛美(34歳)とその連れ子の祥(16歳)の4人が住んでいた。
そして15年勤めてかおりと裕次を育てた、昔は住み込んでいて今は通いの家政婦の鈴木玉江がいた。
交通事故で意識不明の重態で入院中のかおりの病院に泊り込んでいる玉江。
自転車で通い、10時から5時まで働く瑞恵。
そんな中、裕次が裏庭で焼け死んだ。
そして、夫の不倫相手の君島直子が刺殺され夫が失踪した。
次には愛美が手首を切って自殺(?)する。

「七王国」が複雑で壮大で、何十人もの登場人物が出て来て脳をフル回転させて読んだので、これは楽に読んだ。
一日半で読んでしまった。

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●5/31(火) ―氷と炎の歌2―「王狼たちの戦旗」 
ジョージ・R・R・マーティン著 <ファンタジー>
【送料無料商品】王狼たちの戦旗(上)

「七王国の玉座」上・下が―氷と炎の歌―の第一作で、これが二作目です。
数百人の登場人物。一つの大陸の大抒情詩的な歴史物ファンタジーとでも
言いましょうか。7人の視点から描かれています。

厳しい内容で、読み進むのが時に苦しいほど甘くない内容です。
一人一人の生き様が克明に描かれています。
読み応えのあるものをお探しの方は、ぜひご一読を!!

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●5/8(水)  「七つの丘のある街」 トマス・H・クック著
 <犯罪ノンフィクション>

1982年秋、リサ・ミリカン(13歳)が殺害され渓谷に捨てられた。予告電話があり、警察が動き始めた。次第に犯人が絞り込まれアルヴィン・ニーリーと妻のジュディス・ニーリーが逮捕された。
作家のトマス・H・クックは報道や裁判に頼らず、事件に関係した人物一人一人に証言を取り、事件を多面的に解明してゆく。

これは推理小説だと思って、題名に惹かれて借りましたが、読み始めたらノンフィクションでした。淡々と事実(証言の照らし合わせ)が述べられて行き、警察が見過ごした点も追求している。
私はこの事件を知らないので明確には言えないのだが、どうやら検察側はアルヴィン・ニーリーが主犯でジュディスが従犯ということで裁判が結審してる。
しかしトマス・クックはジュディスが主犯であると確信している。

ノンフィクションとしては面白いかもしれないが、精神面の膨らましがないのでワクワク感も広がりも無く面白みはありませんでした。つまり小説が好き、という事ですね。

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●6/26 「霧けむる王国」 ジェイン・ジェイクマン著 <推理小説>

霧けむる王国
1900年、ロンドンで女性の連続殺人事件が起こった。テムズ川に沈んでいる二人目の犠牲者を発見した一人であるオリヴァー・クラストンは、直後に画家のモネ一家としたしくなり、事件の片隅で少しずつ関与し始める。
一方、警部補のガレティは事件の断片を少しずつ拾い集めていく。それは最後の方で急速に形を成してゆく。

モネとその息子の生活が描かれており、こういった本には珍しく沢山のカラー挿絵が載せられている。オリヴァーから見た20世紀初頭のイギリス人の生活や文化が正確に伝わってくる。
常に中心にあるのはテムズ川で、あらゆる物を飲み込み流れて行く。
登場人物一人一人の人間性が深く表現されている。
モネ一家とオリバー、クラストン、犯人の人生が織り成しているこの小説は、モネの絵のように霧によって淡くかすんでいるが、力強い作品だった。

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★「夏目友人帳」 緑川ゆき(少女コミック) ―LaLaDX7月号―
この人のストーリーはいつも少女漫画に囚われていなくて、人間性が豊かに
溢れています。主人公の夏目の優しさに涙が出てきました。

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「MAZE」(めいず)・恩田陸  <ミステリ?SF?幻想?ホラー?何だろう?>

アジアの西の果てにある白い長方形の遺跡。地元民は「存在しない場所」「有り得ぬ場所」と呼び、誰も近寄らない場所。切れ目のような入り口からは一人しか通れない通路が迷路のようになっている。
そこに入った人間や動物が消失する。これまでに知られているだけで300人消失している。しかし、無事に戻れる人もいる。
この場所のナゾを解くために神原恵弥によって辺境の地まで連れて来られた時枝満は、白人のスコットと地元民らしいセリムの4人の料理番&安楽椅子探偵として働き始めた。資料を読み、壁を削り、仮説を立てて行く。

五分の三を読んだのですが、まだ良く分からないです。
不思議な空気が流れている、でも見せかけだけの平和の中でじわーっと恐怖が沸いて来る感じです。と言う事はホラーでしょうか?

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●8/8(月) 「SPEED」 金城一紀

金城一紀原作の映画「GO」は窪塚洋介が在日朝鮮人の高校生の日常と苦悩と恋を好演して話題になった映画ですが、今上演中の「フライ ダディ フライ」も面白いかもしれません。どちらも原作を先に読んだので評価は難しいです。
「GO」は原作より重くてずっしり来たような気がしました。金城さんの文体が軽快で、内容よりも重さを感じさせない不思議な明るさがあるからかもしれません。
今日読み終わった「SPEED」は「ダディ フライ ダディ」の女子高生版みたいなモノでした。実際「ダディ・・・」での事件後一ヶ月の始まりで、相変わらずの南方、萱野、山下、朴舜臣の四人組に今回は登場回数の多いアギーが女子高生の岡本佳奈子を助けて行くお話。

はらはらのシーンも絶対大丈夫と言う自信を持って見る事が出来るので、今のデリケートになっている私でも安心して楽しみながら読む事が出来た。
ああ、日常の中でこんな利潤を求めず困っている人間を本気で応援して助けてくれる人がいたらどんなにか心慰められるだろう。純粋で美しい心と行動力を持った若者達。
「だディ・・・」のTVCMをちらっと見ただけだがV6の岡田君が出ていた。彼は南方か舜臣のどちらなんだろう。南方かな。


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●9/4 「日暮らし 上下」 宮部みゆき

「上」おまんま・嫌いの虫・子盗り鬼・なけなし三昧・日暮らし

 定町廻りの井筒平四郎を中心とした短編集。かな。
シリーズ物です。

とても読みやすく楽しいです。
前作の「ぼんくら」に登場していた鉄瓶長屋の住人達のその後編のようです。
この人の人情話は笑いを含んでいて気持ちが楽な状態で読めます。


「下」日暮らし(承前)・鬼は外、福は内

鉄瓶長屋の元の住人達のその後と謎の解明?平四郎の甥、12歳の美少年の
 弓之助が持ち前の頭脳を駆使して、友達のおでこと共に犯人を追い詰める。

すらすらと読みました。辛い内容にも関わらず笑いを含んだ味わいがあって
後味が爽やかでした。
「模倣犯」のおぞましさから抜けられない私は、宮部さんの現代小説は読み
たくないですね。立ち直るまで相当時間が掛かりました。


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9/9「弥勒の掌」 曽我子 武丸

高校教師、辻恭一の妻ひとみが書置きも無しに失踪した。
3年前の女子生徒との不倫が元で、夫婦仲は冷え切っていた。
妻名義の貯金通帳が無くなっていたので、恭一は妻がとうとう愛想を
突かして出て行ったと思い探しもしなかった。
所が警察が調べに来た事から身の潔白を晴らす為に妻の行方を
探し始める。しかし妻は見つからず、最後に残った《救いの御手》
(弥勒の生まれ替わりと言う40代の女性が教祖)に1日体験で
潜入しようとする。

一方、刑事の蛯原篤史は妻の和子がラブホテルで殺されていた事を
知らされた。犯人に復習を誓う中、本庁の人事一課監察分室に連れ込まれ
やくざとの関係の取調べを受ける。
何とか誤魔化して家に帰り、雑誌記者の茂木に協力を頼んだ。家の中を
見回して初めて《救いの御手》の弥勒像(30万円)に気付き、妻とのかかわりを調べ始めた。

《救いの御手》の豪華な自社ビルのフロントで辻と茂木は偶然知り合い、
協力し合う事になった。
辻は1日体験をしに潜入する。


読みやすいのでするする進むが、内容が濃いのかどうかまだわからない。
半分と少し読み進んだ所で気になって最後の方を少し見たら、一番いやなおぞましい事になっていたので読むのを止めました。
この作家は何を言いたかったのだろうか?人間とは弱いと言う事か?


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9/12 中断しています

「ろくでなしボーン」 ドロシー・アリスン/亀井よし子訳

南部アメリカの極貧社会に私生児として生まれたルース・アンは母親が交通事故に合った時に無事に生まれたため「ボーン」と呼ばれるようになった。
ボーンの母は15歳だった。一族の叔父や従兄弟達、祖母や叔母達との屈託の無い付き合いがあった。
しかし男達は何をしても許され、女達は我慢を当然とされて疲れていた。
ボーンの母は美しいライル・パーソンズと知り合い結婚した。やがて妹のリースが生まれて幸せの中でライルが交通事故であっけなく死んでしまった。
母は用心深くなり、グレン・ワデルと結婚するまで2年を掛けた。
程なく母は陣痛のために入院し、車の中で待っていたボーンはグレンから性的虐待を受ける。ボーンは5歳だった。

とても軽やかで暖かくユーモアの混じった文体なので、悲惨な内容を感じさせない。ワクワクしながら読んでいたら、急に性的虐待が出てきてビックリした。私は内容を知らないで読んでいたのでした。]

≪ドロシー・アリスンの「これはほとんどわたしの自伝小説」でした。「白人のくず」と呼ばれてさげすまれた彼女の一族の歴史は「不慮の死と暴力、悲しみと否認、憤怒と醜悪」にぬりこめられていたという。≫   


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9/12 「象と耳鳴り」 恩田陸 祥伝社

象と耳鳴り

退職判事の関根多佳雄が関わる事件を、ゆったりと美しい文章で書いてある短編集である。

●曜変天目の夜 ●新・D坂の殺人事件 ●給水等 ●象と耳鳴り
●海にゐるのは人魚ではない ●ニューメキシコの月 ●誰かに聞いた話
●廃園 ●待合室の冒険 ●机上の理論 ●往復書簡 ●魔術師
●あとがき

この本は二度目である。
二度目でも楽しく読める。
味わいのある内容で、関根多佳雄が主人公である事も影響しているのだろうと思う。一度目に読み逃した所が見えて来る。
 





9/16 3分で右脳が目覚めた。 中谷彰宏著 三笠書房

3分で右脳が目覚めた。

右脳の活用の仕方で幸せになれる、と言う本。
そのための右脳を目覚めさせるための日常生活における
ちょっとしたコツ。

う~~ん。総括すると大胆に、大雑把に、本能を信じて。
と言う所ですね。

難しい~~~~です。







9/21 ぼくが「医療常識」を信じない理由  永井明著 講談社

ぼくが「医療常識」を信じない理由(わけ)

この方は今の日本の医療のあり方に疑問を持っていて、心や人間性を大事にしないと病気は薬だけでは治らない、と思っています。

その通りだと思いました。
日々の暮らしの中で楽しく生きるためのコツが書いてあるようです。


― 抜粋メモと部分的感想 ―

《 ありとあらゆるものがストレスになります。
(精神的なものだけでなく、寒さ暑さ、
乾燥、痛み、騒音、混雑・・・)

これらのストレス刺激が加わると体内では

「大脳皮質→辺縁系→視床下部(間脳)
→脳下垂体→自律神経・内分泌系」

というストレス回路が活動を始めます。 》



《 ストレス反応はほんらいからだを守るための
 防衛反応。》


私が寒さに弱いのは、寒さに対して
ストレス回路の回転が速く回り過ぎるらしいです。

人との関わりでも敏感になっているらしいです。
体質と書いてありますが、
私は十代始めまではすごく元気でした。

体質が変わるんでしょうね。

頑張り過ぎる人は
うつ状態になりやすいとありました。


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10/9「九マイルは遠すぎる」 ハリイ・ケメルマン著

★九マイルは遠すぎる
★わらの男
★10時の学者
★エンド・プレイ
★時計を二つ持つ男
★おしゃべり湯沸し
★ありふれた事件
★梯子の上の男

大学の法学部の教授をやめて、今は郡検事になっている「わたし」の手記という形をとっている。親しい友人で大学教授のニッキイがその場で事件を紐解いて行き、事件を解決してしまう。

とても明快で数学的で面白い。楽しい。痛快でした。
手元に置いて時々めくって楽しみたい本でした。


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10/11 「パーフェクトコピー」 アンドレアス・エシュバッハ著

ドイツの田舎町に暮らす15歳のヴォルフガングは、幼い頃からチェロの練習を続けてきたが、本物の天才を目にした時に一流のチェリストになるのは自分の夢ではなく父の願いである事に気付く。
その頃「16年前にクローン人間を作る事に成功していた」とキューバ人医師が発表した事から世界中が騒然となっていた。その医師とヴォルフガングの父が知りあいであった事や、適齢の子供がいたことからヴォルフガングの一家がクローン事件に巻き込まれて行く。

文章はしっかりしている。ヴォルフガングの苦悩が偲ばれる。



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10/12 「海流の贈り物」 中西弘樹著

まずは地球の海流について書いてあります。

・吹送流(すいそうりゅう)
 長期間一定の風が吹くと海表面の水が引きずられて流れを生じる。
 この流れを吹送流と呼んでいる。
 この理論は二十世紀初めスウェーデンのエクマンにより研究された。

・コリオリの力(地球自転偏向力を発見したコリオリの名前をとった)
 地球の自転の影響で、運動する地球上のすべての物体は北半球では
 運動方向に対して右へ、南半球では左へずれる。
 
北半球の赤道近くでは東から西へ吹く「貿易風」があり、中緯度ちたいでは
逆に西から東へ吹く「偏西風」がある。
しかしコリオリの力によって貿易風の影響を受ける地域では、海水の
表層は北向きに運ばれ、偏西風の影響を受ける地域では、南向きに運ばれる。

などなど。



11/16 フレンチ警部と漂う死体 F・W・クロフツ著

なかなか面白かったです。クロフツをもっと読んでみようと思いました。
地味な展開ですが、少しずつ見えて来る事情は王道だと思いました。




「ストーン・シティ」  ミッチェル・スミス著

・二千人の凶悪犯が収容された州立刑務所に服役中のバウマンは
 個人教授をしながら日々を凌いでいた。所内で連続殺人が起きた。

まだ読み始めたばかりです。でもアメリカの刑務所は随分自由で
囚人達が恐ろしい秩序を作り出している恐い世界です。刑務所内
での小説を読むといつも思う事ですが、刑務所で過ごす事で益々
悪い方向へと転がってしまう場所で、日本の規則に沿った生活と
随分違います。




「スピティの谷へ」  謝 孝浩著  写真・丸山晋一 三原久明

・インド最北部に位置するスピティで著者が出会った8歳の少女タシ・
ドルガーの生活を数年を費やして取材したノンフィクション。

まだ写真を眺めただけです。写真が素適!!!




「輝く断片」   シオドア・スタージョン著

輝く断片

初めての短編集だった。面白かった。長編とは違う面白さがあった。


今から読む楽しみね~~♪





11/5 「晴れときどき女子高生―プラトニックチェーン―」
渡辺浩弐著 岡崎武士イラストレーション



・「渋谷の中心にそそり立つスカイチュ-ブを自分で数えて49階になったら
呪われる」というチェーンメールを受け取った女子高生のカヤノが渋谷で49
階を数えた直後に行方不明になった。その頃、渋谷に降り注いだ血と肉片
は渋谷で行方不明になっていた7名以上の少女達のものと判明した。
翌日カヤノを探して渋谷でスカチューを数えていたリカに声を掛けて来た
ナルミは、前日に降り注いだ肉片の中に仲の良かったミナの右耳だけが
無い事をプラトニックチェーンを使って調べていた。
スカチューに入り込み調べるリカに対して、プラチェを使って情報を集める
ナルミがバックアップする。
警察がウヤムヤにしようといている中で、再び血と肉片が渋谷に降った。
リカとナルミは体当たりで真実に迫って行く。

娘に読めと勧められて数ヶ月、枕元に置きっ放しだった本をようやく読みました。
スプラッター・ハードボイルド系?の漫画を小説にしたような小説でした。
読み易かったけど、もう少し人物背景がないと人物の人間的立体像が
見えて来ないです。しかも謎が曖昧な謎解きで終わりました。ん~~。
漫画ならふ~んで済むけど小説なんだからもうちょっと書き込んで欲しかった
です。ごめんねピー辛口で。





●今読んでいる本●

山田正紀著 「長靴をはいた犬」

長靴をはいた犬

江東区劭疝犬神(しょうせんけんじん)で起きた通り魔事件。
22歳の女性が鋭利な刃物で殺害され、被疑者として掴った織田修三の
裁判が行われた。
罪状認否で織田は「醒めない夢を見て起こったというか、夢じゃないけど夢で・・。夢だからあいつに逆らえなくて」と取り留めのない口調で話した。

織田の精神鑑定を行った望月幹夫は野心家でエゴイストだが、織田が自分の研究してきた「憑き物理論」の患者かもしれないと思うようになり、週刊誌の仕事を渡りに船と傍聴するようになった。

警視庁・捜査一課の大田武士警部補は織田の取調べを行い、裁判に参考人として呼ばれた。そして田島弁護士の追及に追い詰められ、次回の公判のためにも証拠固めを始めた。

時を同じくして第二の通り魔事件が発生した。状況も傷も同じ事から大田が窮地に陥る。死体の第一発見である小学生とホームレス。16年前の通り魔事件の関係者の浮上。

話はどんどん絡み入ってくる。


・今の所の感想
山田正紀のSFは23歳の頃から読んでいたが、子供が生まれてからは殆んど読んでいなかったので、いつの間にサスペンスを書くようになったのかと驚きました。

これは「神性探偵・佐伯神一郎」シリーズ第二段。でも読むのは初めてなのでどうでしょう?

読みやすくてスルスルと五分の三まで読みました。この先の展開で決まるかな~。






「平原の町」 コーマック・マッカーシー著 黒原敏行訳

―「すべての美しい馬」(1994)「越境」(1994)に次ぐ『国境三部作』は、本書(1998)をもって完結する。アメリカ南西部とメキシコ北部を舞台として。克明なリアリズムの下地に詩と哲学と幻想を織り込んだ作品世界が、ここに全貌を現すことになった。―以上訳者あとがきより抜粋  

どうもカウボーイが主人公らしい。「すべて・・・」は1949~1950年の物語で主人公はジョン・グレイディ・コール(16歳)「越境」では1940~1944年で主人公はビリー・バーハム(16歳)1952年の「平原・・」では19歳のジョン・グレイディと28歳のビリーが合流する。

セリフが「」でくくっていなくて文章の中に織り込んである。
こういう形の小説は初めて読むので、登場人物の性格を読み分けるのがとっても難しいです。解りにくいです。まだ18ページなのでこれからです。







「スズメバチの巣」 パトリシア・コーンウェル著 2/15

アメリカの″スズメバチの巣″と呼ばれているシャーロット市で
他市から来たサラリーマンが殺される事件が連続していた。
署長補佐のヴァージニア・ウエストは新聞記者で
ボランティア警官のアンディ・ブラジル(22)をパトロールに
同行させるという署長の案に抗議したが流されてしまった。

アンディは10歳の時に刑事の父を射殺されていた。
母親はアル中でアンディが面倒をみている。
アンディは朝早くに起きて走り、身体を鍛え
厳しい生活の中を掻き分けて人の何倍も努力して
仕事を熱心にこなしていた。

ウエストは(42)美しくとても優秀な刑事だ。
気が強くて意思が固い。
そんな二人がぶつかり合い、日常の事件に対処しながら
お互いの事情や能力を認め合って行く。

コーンウェルが『検視官』ケイ・スカーペッタのシリーズ以外に
挑戦した初の警察小説。




●感想●
パトリシア・コーンウェルの作品にハズレはないので
安心して読めるのだが、それにしてもこの作品は二度目でした。
でも前回は流し読み的に軽く読んだらしくて、
今回読んでいて心の描写を読み切れていなかった所に
あちこち気が付いた。

健気なアンディの生き様に応援したくなり、
優秀とはいえキツイウエストの態度に注意したくなったり(笑)
段々惹かれ合っていく様子があまりにもストイックで厳しくて
私には分からない辛味のある愛情だと思った。

スリリングで緊張感が張り詰めた、読み甲斐のある内容だ。

連続殺人事件の方はまだ進展が無い。
五分の三を読み終わった。







「総ては、あなたのために」 北村秋 著
―第一回ホワイトハート大賞<佳作>受賞作―

内容
人気バンド「Please!」のヴォーカル・作詞・作曲を担当している
松永友哉がツアー中に自宅マンションに帰ると、部屋の前に段ボール
に入れられた小犬が置き去りにされていた。困っていると隣りの部屋
から小柄な少女が現れ、ずっと小犬が鳴いていたと言いながら牛乳を
与えた。そして友哉がツアーで不規則な生活をしているので小犬を
どうしようかと困っていると、飼い主が見つかるまで隣人の菊地葉月が
預かってくれると言う。
(ネタバレになるからこの先は書きません)


感想
間違ってロマンスを借りてしまったのかと思いました。
数時間で読み終わりました。
初めて書いた200枚の原稿用紙と書いてありました。
調度ギタリストの皆さんと知り合ってギターの事を
教えていただいているので、とてもタイムリーでした。
でもミュージシャンの生活をもっと調べて欲しかったです。
つい、突っ込みたくなります。

ですが読みやすかったし、分かりやすかったので、
この先を期待したいです。









「フォー・ユア・プレジャー」 柴田よしき著 3/13
― For your pleasure 「楽しみに」などの意味 ―

フォー・ユア・プレジャー

フォー・ユア・プレジャー


無認可保育園『にこにこ園』を経営しながら、
経費の穴埋めをするために裏家業で私立探偵をしている
花咲慎一郎シリーズ第二段。

OLが一夜を共にした見知らぬ男性を探す
という仕事をしている最中に、大切な女性理紗が失踪した。
理沙は妹の美貴子に会いに行き失踪した。
花咲は美貴子に会ってストーカーの存在を知る。
ストーカーを探し出して縛られた理沙を探し当てたが
そこには稲葉組の松崎と女性が死体になっていた。
逃走する時に花咲の元同僚の斉藤に顔を見られて
ヤクザに追われる身になってしまった。
花咲は保育園に近付かない事にして駈けずり廻る。



感想・読みやすいです。
探偵シリーズ1弾のフォー・ディア・ライフを
読んでいないので細部を読み込めているのか
よく解らないのだが、あまり深いものを感じない。
事情が沢山絡み合っているのに、人間の苦しみを
感じないのは何故だろう?

今の所はとりあえず読んでいるだけで、
心には残らない感じ。








「神田堀八つ下がり―河岸の夕映え」 宇江佐真理著 4/16

短編集です。

神田堀八つ下がり


・「どやの嬶―御厩河岸」
 火災で水菓子屋と父親と使用人を失った所に、
 父親の弟に銭箱を持ち逃げされて路頭に迷ったおちえと
 弟と母親。一人だけ残って助けてくれた番頭の卯之助が
 やりくりして仕舞屋で小さな商いをはじめた。
 慣れない家事や店番に四苦八苦しているおちえが
 船宿「川籐」のお内儀、息子の勘次との交流で
 町や暮らしに馴染むようになり、嫁入りが決まるまでの話。

健気な少女が頑張る姿に弱い私です。頑張れ~頑張れ~と
心から応援します。その健気なさが見ている人は見ているので
救われますよね~~。


・「浮かれ節―竃河岸」
 小普請組で非役の三土路保胤(みどろやすたね)は貧乏である。
武道は苦手だが端歌が得意で一中節の名取である。
 嫁のるりの実家・増田屋では流行出した都都逸坊扇歌との
 歌合戦が催される事となり、舅に勧められた三土路は「万が一
 都都逸坊が唄に詰まったらご褒美に五十両が出る」と聞いて
 長女の屋敷奉公の仕度の係りを捻出するために参加する事にした。

差別も生まれつきの家柄で総てが決まるのも私は嫌いですが、
江戸時代の人達はそれぞれの決められた枠の中で頑張って
生きていたんだな~~と、小説とは言え生活と言う点で感じました。


・「身は姫じゃ―佐久間河岸」
 岡っ引きの伊勢蔵は娘婿の龍次と家に帰る途中、
 和泉橋の袂で蜘蛛の巣のような頭をした汚い着物の
 7歳くらいの少女を見つけた。少女は「身は姫じゃ」と名乗り
 伊勢蔵らには直接口を利かないので伊勢蔵の女房が
 女中と言う事で少女の身の廻りの世話をする事になった。
 少女の下着は絹で出来ており、庶民の生活を全く知らない。
 姫様の身元捜しが始まった。

公家の姫様が下々の者と交わる話なんて、小説では珍しい。
最後にじわっと来ました。


・「百舌―本所・一ツ目河岸」
 もと津軽弘前藩の藩校「稽古館」の教官だった横川柳平は
 一回り年下の弟・金吉と二人で本所相生町で暮している。
 柳平も金吉も津軽に帰るに帰れない身の上がある。
 そこで姉のひさを一度江戸に呼ぼうと計画をした。
 そんな時に離れ離れで暮していた金吉の娘が相談に現れた。
 連れ帰るために出掛けた金吉は帰って来なくなった。
 柳平は金吉の娘の家を探し歩くうちに、隠されていた事情を
 知るようになった。

じわじわと情況が見えて来て、もしかしたら身の廻りには
隠れた事情があるかしら?なんて思ったり、私がそんな風に
人の為に自分に犠牲を強いて長年生きる事が出来るかしら?
とか、考えてみました。


・「愛想づかし―行徳河岸」
 日本橋の廻船問屋「三枝屋」の跡取り息子の旬助は、父親が死んでも
 遊び癖が治らず、下総の蒲鉾屋に修行に行かされた。3年の修行が
 終って店に帰る途中で旬助は居酒屋・末広屋で働くお幾の元に
 身を寄せて店には帰らなかったが、上方にある本店の伯父が病に
 倒れて旬助の姉夫婦が本店を守るために江戸を離れる事になり、
 江戸の店のためには旬助が必要になった。旬助探しが始まった。

これはちょっと複雑な心情が描かれていて、
私には少しわからない所がありました。



・「神田掘八つ下がり―浜町河岸」
 米沢町の薬種屋「丁子屋」の主、菊次郎の所へやって来る
 町医者の桂順、貧乏旗本の次男坊青沼伝四郎、鰯屋の与四兵衛
 らが繰り広げる、人情の話。

これは胸が暖まる人情物の話です。
いい話でした。気持ちが優しくなりますね~。
ちょっと上手く出来ているけれど気持ちが良かったです。

 
 
心が暖まりました。
人間生活も悪くないかも~って思いました。
人情に乾いた人は是非読んでみてはいかがでしょうか?




 




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★お勧めのTV★
先週からNHKで月~木・午後11時から放送されている「七色のおばんざい」の原作は柴田よしきの「ふたたびの虹」です。
TVドラマの方は明るく脚色してあります。
原作の方はひたひたと静けさや悲しみや暖か味にあふれていて、一話一話が完結して繋がっており、最後に全てのナゾと問題が解決します。
今まで読んだ柴田よしきの作品の中で一番好きな作品です。
機会がありましたら、是非ご一読を。

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●読みかけの本●

「小さきものたちの神」 アルンダティ・ロイ著

インドのケララ州、アエメナムに住むアムーの息子達エスタとラヘルの双子の兄妹の話。

文章がとても美しくて叙情的。これはとても素適な本に出会ってしまったのだろうか?と予感させるものがあります。





「死は誰も忘れない」  ディディエ・デナンクス著  高橋 啓―訳
ブラヴァンクールの職業専門学校生のリュシアン・リクアールが行方不明になり、夜に《ぼくの父は人殺しではない》と地面に書いて池で溺死体で発見された。教師と生徒で結成された捜索隊の機械科教師フランシス・ヴァトブレッドとマルク・ブランジェルは第一発見者だったがヴァトブレッドはリクールが地面に書いた遺書を揉み消した。
この話しの語り部のマルク・ブランジュは 25年経ってからリュシアンの父ジャン・リクアールに会いに行く。


フランスの小説は久々だ。
どんな世界に出会えるのか楽しみだ。            

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